Module 2: 実践スキル — 業務でClaude Codeを活用する
前提: Module 1で、Claude Codeの基本操作(起動、簡単な指示、ファイル操作)を習得済みであること。
第1章: 効果的な指示の出し方(プロンプティング)
1.1 なぜ「指示の出し方」が重要なのか
Claude Codeはあなたの指示に基づいて仕事をするエージェントです。人間の部下やパートナーと同じように、曖昧な指示を出せば曖昧な成果物が返ってきます。逆に、的確な指示を出せば、驚くほど質の高い成果物が得られます。
この章では、Claude Codeから最大限の成果を引き出すための「指示の技術」を学びます。
1.2 良い指示の5要素
効果的な指示には、以下の5つの要素を含めることが重要です。
| 要素 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 目的 | 何を達成したいのか | 「新規事業の検討材料にする」 |
| 対象読者 | 誰が読む・使うのか | 「経営会議に出席する役員」 |
| 形式 | どのような形で出力するか | 「Markdown形式の報告書」 |
| 分量 | どの程度のボリュームか | 「A4で3ページ程度」 |
| 制約 | 守るべきルールや制限 | 「社外秘データは含めない」 |
すべての指示に5要素すべてを含める必要はありません。しかし、成果物に違和感を覚えたときは、この5要素のどれかが欠けていないかチェックしてみてください。
1.3 Bad→Goodの指示改善例
例1: リサーチ依頼
Bad:
AIについて調べて
Good:
生成AIの企業導入状況について調査してください。
目的: 自社のAI導入検討資料として使用
対象読者: IT部門のマネージャー(技術に詳しい)
含めてほしい内容:
- 国内企業の導入率と主な用途
- 導入による効果の具体例(3社以上)
- よくある課題とその対策
形式: Markdownの報告書
分量: 3000〜5000字程度
なぜ良いのか: 目的・対象読者・含めてほしい内容・形式・分量がすべて明示されているため、Claude Codeは一発で期待に近い成果物を返せます。
例2: 文書作成
Bad:
企画書を作って
Good:
社内研修「非エンジニアのためのAI活用入門」の企画書を作成してください。
背景:
- 全社的にAI活用を推進しており、まず意識改革のための研修を行いたい
- 対象は営業部門の30名、ITリテラシーは一般的なレベル
企画書に含める項目:
- 研修の目的と期待効果
- 対象者と前提知識
- カリキュラム(3時間想定)
- 必要な環境・機材
- 概算予算
- スケジュール案
対象読者: 研修を承認する人事部長
形式: Markdownファイルとして output/training-proposal.md に保存
なぜ良いのか: 背景情報によりClaude Codeが状況を理解でき、項目指定により漏れのない企画書が作成されます。
例3: データ分析
Bad:
このCSVを分析して
Good:
data/sales-2025.csv を読み込んで、以下の分析を行ってください。
このファイルは2025年の月別・商品カテゴリ別の売上データです。
列構成: 年月, カテゴリ, 売上金額, 販売数量
分析内容:
1. カテゴリ別の年間売上合計と構成比
2. 月別売上推移のトレンド(前年比がわかるとなお良い)
3. 最も成長率が高いカテゴリの特定
出力:
- 分析結果をまとめたMarkdownレポート → output/sales-analysis.md
- 主要なグラフをHTMLで作成 → output/sales-charts.html
対象読者: 営業部門の四半期レビュー会議参加者
なぜ良いのか: データの構造、分析の観点、出力形式がすべて明示されており、手戻りが最小限になります。
例4: 比較調査
Bad:
SlackとTeamsを比較して
Good:
SlackとMicrosoft Teamsを比較する資料を作成してください。
目的: 社内コミュニケーションツールの選定
比較軸:
- 基本機能(チャット、通話、ファイル共有)
- 外部サービスとの連携(特にGoogle Workspace連携)
- 料金体系(50名規模での年間コスト)
- セキュリティ機能
- 導入・管理のしやすさ
形式: 比較表(Markdownテーブル)+各項目の簡単な解説
分量: 比較表1つ+解説2000字程度
対象読者: ツール選定に関わる情報システム部門
出力先: output/tool-comparison.md
なぜ良いのか: 比較軸を具体的に指定することで、意思決定に直結する情報が得られます。
例5: メール文面
Bad:
お詫びメールを書いて
Good:
納品遅延のお詫びメールのドラフトを作成してください。
状況:
- 当初の納品予定日: 3月15日
- 実際の納品見込み: 3月22日(1週間遅延)
- 遅延理由: 部品調達の遅れ(サプライヤーの製造ラインの問題)
- 対応策: 特急対応で1週間に短縮(当初は2週間遅れる見込みだった)
トーン: 誠実で丁寧、ただし過度にへりくだらない
宛先: クライアントの担当者(日頃から良好な関係)
分量: 300〜400字程度
形式: そのままメールに貼り付けられるテキスト
出力先: output/apology-email.txt
なぜ良いのか: 具体的な状況、トーン、相手との関係性が明示されており、そのまま使えるレベルのメールが生成されます。
1.4 段階的な指示の出し方
すべての要素を最初から完璧に指示する必要はありません。むしろ、最初にざっくり指示を出し、段階的に詰めていく方が効率的な場合が多いです。
ステップ1: まずざっくり依頼する
新規事業のアイデアを3つ考えてください。
当社は中堅の食品メーカーで、健康志向の消費者をターゲットにしたいと考えています。
output/business-ideas.md に保存してください。
ステップ2: 良さそうなものを掘り下げる
2つ目の「パーソナライズ栄養サプリのサブスク」が面白そうです。
このアイデアについて、以下の観点で詳細化してください:
- 市場規模の推定
- ターゲット顧客のペルソナ(2パターン)
- ビジネスモデル(収益構造)
- 競合サービスとの差別化ポイント
- 初期投資の概算
output/supplement-subscription-detail.md に保存してください。
ステップ3: さらに特定部分を改善する
競合分析のセクションをもっと充実させてください。
具体的には:
- 国内の競合3社を特定し、それぞれのサービス概要をまとめる
- 海外の先行事例も2つ追加する
- 当社の強み(食品メーカーとしての製造ノウハウ)を活かした差別化戦略を提案する
output/supplement-subscription-detail.md を更新してください。
このように段階的に進めることで、各ステップでClaude Codeの出力を確認しながら方向性を修正できます。
1.5 コンテキストの与え方
Claude Codeにより良い成果物を出してもらうためには、背景情報(コンテキスト) を十分に与えることが重要です。
既存ファイルをコンテキストとして使う
docs/company-profile.md を読んで、当社の事業内容を把握した上で、
新規クライアント向けの会社紹介資料のドラフトを作成してください。
output/company-intro.md に保存してください。
複数ファイルをコンテキストとして使う
以下のファイルを読み込んでください:
- data/survey-results.csv(顧客アンケートの結果)
- docs/product-roadmap.md(製品ロードマップ)
これらを踏まえて、顧客の声を反映した次期製品の改善提案書を作成してください。
output/improvement-proposal.md に保存してください。
ウェブ情報をコンテキストとして使う
https://example.com/industry-report-2025 を読んで内容を要約した上で、
当社への示唆をまとめてください。
output/industry-report-summary.md に保存してください。
1.6 CLAUDE.mdに共通の指示をまとめるテクニック
プロジェクトの作業ディレクトリに CLAUDE.md というファイルを作っておくと、Claude Codeが毎回自動的にその内容を読み込みます。よく使う指示や前提条件をここにまとめておくと、毎回の指示がシンプルになります。
CLAUDE.mdの例
以下のClaude Codeへの指示例を参考に、自分のCLAUDE.mdを作成してください。
CLAUDE.md の内容:
---
# プロジェクト共通ルール
## 出力ルール
- 出力ファイルはすべて output/ ディレクトリに保存すること
- ファイル名は日本語を使わず、英語のケバブケース(例: market-analysis.md)にすること
- Markdownファイルには最初に作成日とステータスを記載すること
## 文書スタイル
- 対象読者が指定されない場合、ビジネスパーソン一般向けとする
- 丁寧語(です・ます調)で記述する
- 専門用語には初出時に簡単な説明を添える
## データ取り扱い
- 社名や個人名が含まれるデータは、分析結果にそのまま載せない
- グラフを作成する場合はHTMLで出力し、Chart.jsを使用する
---
この CLAUDE.md を作業ディレクトリに配置する操作自体も、Claude Codeに依頼できます。
上記の内容で CLAUDE.md ファイルを作成してください。
第2章: デスクトップリサーチ
2.1 Web検索によるリサーチの進め方
Claude Codeはweb検索機能を使って最新の情報を調べることができます。調べ物をClaude Codeに任せることで、情報収集の時間を大幅に短縮できます。
基本的なリサーチ依頼
日本国内のRPA(Robotic Process Automation)市場について調査してください。
調べてほしいこと:
- 市場規模と成長率(直近3年分)
- 主要ベンダーとシェア
- 導入が進んでいる業種
- 今後のトレンド
出典も明記してください。
output/rpa-market-research.md に保存してください。
リサーチのコツ
- 調べてほしい観点を具体的に列挙する: 「調べて」だけでは範囲が広すぎます
- 出典の明記を求める: 信頼性の確認に必要です
- 時期を指定する: 「直近3年」「2025年以降」など期間を指定すると焦点が絞れます
2.2 市場調査レポートの作成(ステップバイステップ)
ここでは「ペットテック市場の調査レポート」を例に、Claude Codeでの市場調査の進め方を実演します。
ステップ1: 市場の全体像を把握する
ペットテック(Pet Tech)市場について調査してください。
以下の情報をまとめてください:
- ペットテックの定義と含まれるサービス・製品カテゴリ
- 世界市場と日本市場の規模
- 市場成長の背景にある社会的要因
出典を明記して、output/pettech-overview.md に保存してください。
期待される出力のイメージ:
Claude Codeがweb検索を行い、ペットテック市場の概要をまとめたMarkdownファイルを作成します。定義、市場規模の数値、成長要因(少子高齢化、ペットの家族化など)が含まれた報告書形式のファイルが出力されます。
ステップ2: 主要プレイヤーを調査する
output/pettech-overview.md の内容を踏まえて、
ペットテック市場の主要プレイヤーを調査してください。
調べてほしいこと:
- 国内の主要企業・サービス(5社以上)
- 各社のサービス概要と特徴
- 資金調達状況(わかる範囲で)
- 海外の注目企業(3社程度)
output/pettech-players.md に保存してください。
ステップ3: 分析と示唆をまとめる
output/pettech-overview.md と output/pettech-players.md を読み込んで、
以下の内容を含む市場調査レポートを作成してください。
1. エグゼクティブサマリー(300字以内)
2. 市場概要(先ほどの調査内容を整理)
3. 競合環境(主要プレイヤーの分析)
4. 参入機会の分析(ホワイトスペースはどこか)
5. リスクと課題
6. 推奨アクション
対象読者: 新規事業検討を行う経営企画部
形式: 正式な報告書スタイル
output/pettech-market-report.md に保存してください。
期待される出力のイメージ:
前の2ステップで作成した調査結果を統合し、エグゼクティブサマリーから推奨アクションまでを含む包括的な市場調査レポートが作成されます。
2.3 競合分析の実施方法
以下の3社のプロジェクト管理ツールについて競合分析を行ってください。
対象:
1. Asana
2. Monday.com
3. ClickUp
分析軸:
- 基本機能と特徴
- 料金プラン(チーム10名の場合の月額)
- 強み・弱み
- 主なターゲット顧客層
- 日本語対応状況
出力形式:
- 比較表(Markdown テーブル)
- 各ツールの詳細分析(各500字程度)
- 総合評価と推奨(当社の状況: 社員50名のIT企業、現在はExcelで管理)
output/pm-tool-comparison.md に保存してください。
期待される出力のイメージ:
機能、料金、強み・弱みなどの比較表と、各ツールの詳細分析、さらに自社の状況を考慮した推奨が含まれたレポートが出力されます。
2.4 出典の確認と信頼性の評価
Claude Codeのリサーチ結果は必ず出典を確認しましょう。
先ほどの市場調査レポート output/pettech-market-report.md に記載されている
数値データについて、出典の信頼性を確認してください。
以下の基準で各出典を評価してください:
- A: 公的機関・大手調査会社の公式レポート
- B: 業界メディア・専門メディアの記事
- C: 個人ブログ・SNS等(信頼性要検証)
信頼性が低い情報には代替の出典を探してください。
出典評価の結果を output/source-evaluation.md にまとめてください。
重要な注意点:
- Claude Codeが提示する情報は、必ずしも正確とは限りません
- 特に数値データ(市場規模、シェアなど)は、元の出典を自分で確認することを強くおすすめします
- 重要な意思決定に使う場合は、Claude Codeの調査結果を「叩き台」として扱い、主要な事実は自分で裏取りしてください
2.5 リサーチ結果の構造化と整理
複数の調査をまとめて体系的に整理する方法です。
output/ ディレクトリにある以下のリサーチファイルを読み込んでください:
- pettech-overview.md
- pettech-players.md
- pettech-market-report.md
これらの内容を統合して、以下の構成で最終レポートを作成してください:
1. 表紙(タイトル、作成日、作成者)
2. 目次
3. エグゼクティブサマリー
4. 本編(章立てして整理)
5. 付録(データ表、用語集)
output/pettech-final-report.md に保存してください。
第3章: ビジネス文書・提案資料の作成
3.1 企画書の作成フロー
企画書の作成は、Claude Codeが最も威力を発揮する業務の一つです。以下のフローで進めます。
ステップ1: アウトラインを作成する
社内DX推進プロジェクトの企画書のアウトラインを作成してください。
背景:
- 当社は従業員300名の製造業
- 紙ベースの業務が多く、デジタル化が遅れている
- 経営層はDX推進に前向きだが、何から始めるべきか迷っている
企画書に含めるべき項目案を出してください。
まだ本文は書かなくて良いです。アウトライン(見出しの構成)だけお願いします。
output/dx-proposal-outline.md に保存してください。
期待される出力のイメージ:
「1. 背景と課題」「2. プロジェクトの目的」「3. 推進体制」「4. 実施計画」…のような章立てのアウトラインが生成されます。
ステップ2: アウトラインを調整してから本文を書く
output/dx-proposal-outline.md のアウトラインを確認しました。
以下の修正を加えた上で、本文を書いてください:
修正点:
- 「推進体制」の章に「外部パートナーの活用」を追加
- 「予算」の章を「投資対効果(ROI)」に変更し、コスト削減効果の試算も含める
- 「リスクと対策」の章を追加
本文の各章は500〜800字程度でお願いします。
対象読者は経営会議のメンバー(役員クラス)です。
output/dx-proposal.md に保存してください。
3.2 提案資料のドラフト作成
新規顧客向けの営業提案資料のドラフトを作成してください。
当社サービス: クラウド型の在庫管理システム「StockSmart」
提案先: 中規模の小売チェーン(店舗数20店舗)
先方の課題(ヒアリングメモより):
- 各店舗の在庫数が本部でリアルタイムに把握できない
- 欠品による機会損失が月間推定500万円
- 棚卸しに毎月2日間かかっている
提案資料の構成:
1. 先方の課題の整理
2. StockSmartによる解決策
3. 導入効果の試算
4. 導入ステップ(3ヶ月計画)
5. 料金プラン
6. 導入事例(2社程度、架空でOK)
output/proposal-stocksmart.md に保存してください。
期待される出力のイメージ:
顧客の課題に寄り添った構成で、導入効果の数値試算や具体的な導入ステップを含む提案資料のドラフトが生成されます。架空の導入事例も含まれます。
3.3 既存資料を参照した新規文書の作成
Claude Codeの強みの一つは、既存のファイルを読み込んで、その内容をベースに新しい文書を作成できることです。
既存の企画書フォーマットに合わせる
docs/templates/proposal-template.md を読み込んでください。
このフォーマット(見出し構成、スタイル)に合わせて、
先ほどのStockSmartの提案資料を書き直してください。
output/proposal-stocksmart-formatted.md に保存してください。
過去の資料を参考にする
以下の過去の提案資料を読み込んでください:
- docs/past-proposals/proposal-clientA.md
- docs/past-proposals/proposal-clientB.md
これらの資料のトーン、構成、記述レベルを参考にして、
新規クライアント向けの提案資料を作成してください。
提案内容:
(ここに提案内容の詳細を記載)
output/proposal-clientC.md に保存してください。
議事録から次のアクションを整理する
docs/meeting-notes/2025-03-01-kickoff.md を読み込んで、
以下を作成してください:
1. 議事録の要約(箇条書き)
2. 決定事項の一覧
3. ToDoリスト(担当者・期限付き)
4. 次回会議のアジェンダ案
output/meeting-summary.md に保存してください。
3.4 Markdownからの出力形式変換
Claude Codeが作成するMarkdownファイルを、他の形式に変換することもできます。
HTMLへの変換
output/dx-proposal.md を読み込んで、
見栄えの良いHTML形式に変換してください。
要件:
- レスポンシブデザイン(スマホでも読める)
- 目次にはページ内リンクを付ける
- テーブルは見やすくスタイリングする
- 印刷にも対応する(@media print)
- 外部CSSやJSは使わず、単一HTMLファイルで完結させる
output/dx-proposal.html に保存してください。
期待される出力のイメージ:
CSSが埋め込まれた単一のHTMLファイルが生成されます。ブラウザで開くと、きれいにスタイリングされた提案書が表示されます。
プレーンテキストへの変換
output/dx-proposal.md を読み込んで、
メールに貼り付けられるプレーンテキスト形式に変換してください。
- Markdownの記法(#, *, -)は使わない
- テーブルはインデントで整形する
- 全角70文字程度で改行する
output/dx-proposal.txt に保存してください。
3.5 イテレーション(繰り返し改善)のコツ
一度の指示で完璧な成果物を求めるのではなく、繰り返し改善していく方が良い結果につながります。
改善の指示パターン
全体的なトーンを変える:
output/dx-proposal.md を、もっとカジュアルなトーンに書き直してください。
現在は堅すぎるので、社内の部門長会議で使うレベルの丁寧さでお願いします。
特定セクションを充実させる:
output/dx-proposal.md の「導入効果の試算」セクションを充実させてください。
具体的な数値を増やし、3年間のROI試算を追加してください。
フィードバックを反映する:
output/dx-proposal.md に以下のフィードバックを反映してください:
1. 冒頭に「経営ビジョンとの紐付け」セクションを追加
→ 中期経営計画のキーワード「デジタルファースト」と紐付ける
2. 「推進体制」にPMOの設置を追記
3. 「リスクと対策」で、現場の抵抗感への対策をもっと具体的に
4. 全体を通じて、もう少し図表を増やしてほしい(Markdownテーブルで)
更新した内容を output/dx-proposal.md に上書き保存してください。
分量を調整する:
output/dx-proposal.md の内容を維持しつつ、
全体の分量を半分程度に圧縮してください。
エグゼクティブサマリーとして使いたいです。
output/dx-proposal-summary.md に保存してください。
第4章: データ分析と可視化
4.1 CSVデータの読み込みと分析依頼
Claude Codeは、CSVファイルなどのデータを読み込んで分析を行うことができます。Pythonスクリプトを書いて実行するため、本格的な分析も可能です。
基本的な分析依頼
data/sales-data-2025.csv を読み込んで、基本的な統計情報を教えてください。
知りたいこと:
- 行数と列数
- 各列のデータ型
- 数値列の基本統計量(合計、平均、最大、最小)
- 欠損値の有無
output/data-overview.md にまとめてください。
期待される出力のイメージ:
Claude Codeがデータを読み込み、pandasなどのライブラリを使って基本統計量を計算し、その結果をわかりやすくまとめたMarkdownファイルを出力します。
データの中身を理解する
data/sales-data-2025.csv の先頭20行と末尾5行を表示してください。
また、各列の値の種類(ユニーク数)と、カテゴリ列の場合はその一覧を教えてください。
4.2 基本的な分析: 集計、比較、トレンド
集計分析
data/sales-data-2025.csv を分析してください。
列構成: 日付, 店舗名, 商品カテゴリ, 売上金額, 数量
以下の集計を行ってください:
1. 店舗別の売上合計(降順)
2. 商品カテゴリ別の売上合計と構成比
3. 月別の売上推移
4. 店舗×カテゴリのクロス集計表
output/sales-summary.md に保存してください。
比較分析
data/sales-2024.csv と data/sales-2025.csv を両方読み込んで、
前年比較分析を行ってください。
分析内容:
- 年間総売上の前年比
- 月別の前年同月比推移
- カテゴリ別の前年比(成長カテゴリ・縮小カテゴリの特定)
- 最も改善した店舗と悪化した店舗
output/year-over-year-analysis.md に保存してください。
トレンド分析
data/monthly-kpi.csv を分析してください。
列構成: 年月, 新規ユーザー数, アクティブユーザー数, 解約率, 月間売上, ARPU
以下を分析してください:
1. 各KPIの月次トレンド
2. 増加傾向・減少傾向にあるKPIの特定
3. KPI間の相関関係(例: 新規ユーザー数とARPUの関係)
4. 異常値の検出(急な変動があった月)
output/kpi-trend-analysis.md に保存してください。
4.3 グラフ・チャートの生成
Claude Codeは、PythonのmatplotlibやHTML/JavaScriptのChart.jsを使ってグラフを生成できます。
基本的なグラフ作成
data/sales-data-2025.csv を読み込んで、以下のグラフを作成してください。
1. 月別売上推移の折れ線グラフ
2. カテゴリ別売上構成の円グラフ
3. 店舗別売上の棒グラフ(上位10店舗)
HTML形式で作成し、Chart.jsを使用してください。
CDNからChart.jsを読み込む形で大丈夫です。
output/sales-charts.html に保存してください。
期待される出力のイメージ:
ブラウザで開くと、3つのインタラクティブなグラフが表示されるHTMLファイルが生成されます。マウスオーバーで値が表示され、凡例をクリックで表示/非表示を切り替えられます。
matplotlibでの画像出力
data/sales-data-2025.csv を読み込んで、
月別売上推移のグラフをPNG画像として保存してください。
要件:
- 日本語フォント対応
- タイトル: 「2025年 月別売上推移」
- X軸: 月、Y軸: 売上金額(万円)
- グリッド線あり
- サイズ: 1200x600px
output/monthly-sales-chart.png に保存してください。
4.4 HTML形式でのインタラクティブな可視化
より高度なインタラクティブ可視化も可能です。
data/sales-data-2025.csv を読み込んで、
インタラクティブなダッシュボードをHTML形式で作成してください。
ダッシュボードに含める要素:
1. KPIカード: 総売上、前月比、目標達成率
2. 月別売上推移の折れ線グラフ(前年比較付き)
3. カテゴリ別売上の棒グラフ
4. 店舗別売上ランキング(テーブル形式)
5. フィルタ機能: 期間選択(月単位)
技術要件:
- 単一HTMLファイルで完結
- Chart.js(CDN経由)を使用
- レスポンシブデザイン
- カラーテーマ: ブルー系
output/sales-dashboard.html に保存してください。
期待される出力のイメージ:
ブラウザで開くと、KPIカードが上部に並び、その下にグラフやテーブルが配置されたダッシュボード画面が表示されます。フィルタで表示期間を切り替えると、すべてのグラフとテーブルが連動して更新されます。
4.5 分析結果のレポート化
分析結果をきれいなレポートにまとめます。
以下のファイルを読み込んでください:
- output/sales-summary.md(集計結果)
- output/year-over-year-analysis.md(前年比較)
- output/kpi-trend-analysis.md(KPIトレンド)
これらを統合して、経営会議向けの月次レポートを作成してください。
レポート構成:
1. エグゼクティブサマリー(主要な発見を3つに絞る)
2. 売上サマリー(表とグラフ)
3. 前年比較(改善点と課題)
4. KPIハイライト(注目すべき変動)
5. 推奨アクション
要件:
- 数字は万円単位で統一
- 前年比は%表示
- 各セクションに1つ以上のテーブルまたはグラフを含む
- 全体で3000字以内
Markdownレポート: output/monthly-report.md
HTMLレポート: output/monthly-report.html
の両方を作成してください。
4.6 データプライバシーへの配慮
データ分析をClaude Codeで行う場合、以下の点に注意してください。
Claude Codeでの分析に適さないデータ:
- 個人の氏名、住所、電話番号、メールアドレスが含まれるデータ
- クレジットカード情報や銀行口座情報
- 医療情報や健康データ
- 社内の人事評価データ
- その他、社内規定で外部AIへの入力が禁止されているデータ
安全に使うためのルール:
- 匿名化: 分析に個人を特定する情報が不要な場合は、事前に匿名化してからClaude Codeに渡す
- 集計済みデータの利用: 可能であれば、生データではなく集計済みのデータを使う
- 社内規定の確認: 自社のAI利用ポリシーを確認し、ルールに従う
- ローカル実行の認識: Claude Codeはローカルで動作しますが、会話内容はAnthropicのサーバーに送信される場合があります(プランや設定による)
# 匿名化の例
data/customer-list.csv の個人情報(氏名、電話番号、メールアドレス)を
匿名化してください。
- 氏名 → Customer001, Customer002, ... に置換
- 電話番号 → 削除
- メールアドレス → 削除
- その他の列(購入履歴、地域、年齢層)はそのまま保持
output/customer-list-anonymized.csv に保存してください。
第5章: 複合タスク — 複数のスキルを組み合わせる
5.1 リサーチ→分析→資料作成の一気通貫ワークフロー
ここまでの章で学んだスキルを組み合わせて、実際の業務に近い複合タスクを行います。
シナリオ: 新規事業の提案資料を作成する
ステップ1: 市場リサーチ
「シニア向けフィットネステック」市場について調査してください。
調べてほしいこと:
- 国内のシニア(60歳以上)のフィットネス市場の規模
- テクノロジーを活用したシニア向けフィットネスサービスの事例
- ターゲット層(シニア)のデジタルデバイス利用状況
- 競合となりうるサービス
出典を明記して、output/senior-fitness-research.md に保存してください。
ステップ2: 数値分析
data/senior-health-survey.csv を読み込んで、分析してください。
このファイルは、60歳以上の健康・フィットネスに関するアンケート結果です。
列構成: 年齢, 性別, 運動頻度, 運動種目, 月間支出, デバイス保有, アプリ利用意向
分析内容:
1. 年齢層×運動頻度のクロス集計
2. 月間支出の分布と平均
3. デバイス保有率
4. アプリ利用意向と年齢の関係
output/senior-survey-analysis.md に保存してください。
グラフは output/senior-survey-charts.html に保存してください。
ステップ3: 統合して提案資料を作成
以下のファイルを読み込んでください:
- output/senior-fitness-research.md(市場リサーチ結果)
- output/senior-survey-analysis.md(アンケート分析結果)
- output/senior-survey-charts.html(分析グラフ)
これらを統合して、新規事業の提案資料を作成してください。
提案内容: シニア向けフィットネスアプリの開発
対象読者: 経営会議(役員向け)
資料構成:
1. エグゼクティブサマリー
2. 市場機会(リサーチ結果から)
3. ターゲット顧客の理解(アンケート分析から)
4. 事業コンセプト
5. ビジネスモデル
6. 競合優位性
7. 開発・展開ロードマップ(12ヶ月計画)
8. 初期投資と収支計画
9. リスクと対策
10. 次のステップ
output/senior-fitness-proposal.md に保存してください。
output/senior-fitness-proposal.html にもHTMLバージョンを作成してください。
期待される出力のイメージ:
市場リサーチの定性的な情報と、アンケート分析の定量的なデータが融合された、説得力のある事業提案資料が完成します。HTMLバージョンでは、グラフがインラインで表示される見栄えの良い資料になります。
5.2 複数ファイルにまたがる作業の管理
複合タスクでは複数のファイルが関わるため、作業の管理が重要です。
ディレクトリ構成を最初に設計する
新しいプロジェクト「senior-fitness」のディレクトリ構成を作成してください。
projects/senior-fitness/
├── data/ # 元データ
├── research/ # リサーチ結果
├── analysis/ # 分析結果
├── output/ # 最終成果物
└── README.md # プロジェクト概要
各ディレクトリを作成し、README.md にプロジェクトの概要を記載してください。
進捗を管理する
projects/senior-fitness/README.md を更新して、
現在の作業進捗を追記してください。
完了したタスク:
- [x] 市場リサーチ
- [x] アンケートデータ分析
- [x] 提案資料作成
残りのタスク:
- [ ] 財務モデルの詳細化
- [ ] リスク分析の追加
- [ ] プレゼン用の要約版作成
5.3 作業の中断と再開
Claude Codeでの作業を中断して後日再開する場合のテクニックです。
作業状態を保存する
作業の区切りで、現在の状態をまとめておくと再開時に便利です。
今日の作業をここまでとします。
以下の内容を projects/senior-fitness/PROGRESS.md にまとめてください:
1. 今日完了したこと
2. 作成したファイルの一覧と概要
3. 次回やるべきこと(優先順位付き)
4. 途中で気づいた問題点や検討事項
作業を再開する
別のセッションでClaude Codeを起動して作業を再開する場合は、前回の作業状態を読み込むところから始めます。
projects/senior-fitness/ ディレクトリのプロジェクトの作業を再開します。
まず以下を読み込んでください:
- projects/senior-fitness/PROGRESS.md(前回の進捗)
- projects/senior-fitness/README.md(プロジェクト概要)
前回の続きとして、「次回やるべきこと」の1番目から始めてください。
コツ:
- CLAUDE.md にプロジェクトの基本情報を書いておくと、毎回の再開時に自動的に読み込まれます
- ファイル名を体系的に付けておくと、後から探しやすくなります
- 作業ログを残す習慣をつけると、チームメンバーへの共有にも使えます
まとめ
Module 2では、以下のスキルを学びました。
| 章 | 学んだこと |
|---|---|
| 第1章 | 効果的な指示の出し方、5要素、段階的な指示、CLAUDE.md |
| 第2章 | Web検索リサーチ、市場調査、競合分析、出典確認 |
| 第3章 | 企画書作成、提案資料、既存資料活用、形式変換、イテレーション |
| 第4章 | CSV分析、集計・比較・トレンド、グラフ作成、ダッシュボード、プライバシー配慮 |
| 第5章 | 複合ワークフロー、ファイル管理、作業の中断と再開 |
次のModule 3では、さらに多様なビジネスユースケースと、複雑なワークフローの構築方法を学びます。